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生きることのはじまり

金滿里

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生きることのはじまり
著者 金滿里
出版社 人々舎
判型 A6変
頁数 464 頁
ジャンル 文芸書
ISBNコード 9784910553023

商品内容

絶望を生きるわたしたちへ。

障碍者だけのパフォーマンス集団「態変(たいへん)」の主宰者が、想像を絶する極限状況を生き延び、人間の本質を問い続けた「生きること」の物語。

朝鮮古典芸能の伝承者で、在日1世の母から生まれた著者。継承を期待されるが3歳でポリオ(小児マヒ)を発病し、首から下が全身麻痺の重度障碍者となる。苦悶に満ちた4年間の入院治療の末に退院、肢体不自由児施設での集団生活を10年間過ごす。そこでは、設備不備による劣悪環境下で友人の死を目の当たりにする。その後、障碍者自立解放運動に参画、同時に、当時はまだ珍しかった、24時間介護の自立障碍者となる。運動組織の分裂・解体をきっかけに「態変」を旗揚げし1児の母へ。その壮絶な半生の軌跡を、切実な筆致で描く。

私の生い立ちには、徹頭徹尾、普通ということが何一つない。かなり変わった存在である。
誕生したのは一九五三年十一月二日。大阪府の池田市というところで生まれた。よけいなことだが干支は巳、血液型はO型、星座は蠍さそり座である。私の母親は在日の一世。いわゆる朝鮮半島から日本に渡ってきた朝鮮人である。だから日本語はたどたどしく、苦手だ。また、この人は朝鮮の古典芸能の伝承者で、芸人として生きてきた。この母の生きざまによって私の存在がかなり規定された面は大きい。  
在日朝鮮人という立場も、日本の中では少数派だと思うが、在日の中でも古典芸能家というのはもっと数少なく、一般的な在日の家庭ともまた違った特殊な家庭といえるだろう。私は十人兄弟の末っ子で、母親は四十二歳のときに、他の兄弟とは父親の違う子どもとして私を産んだ。そして三歳のときにポリオに罹り、それ以来、小児マヒの後遺症として全身麻痺障碍者となり私の人生ははじまる。  
在日の朝鮮古典芸能家という少数中の少数の珍しい家庭に生まれ、またそのうえに重度の障碍者になった。同じ立場の人を他に探そうとしてもそうはいない。この徹頭徹尾「普通」ということがない私の生い立ちは、結果として私には幸いしたと思う。
(「第一章 母、そして幼いころ」より)

これはわたしたちみんなの物語なのだ。
--高橋源一郎(作家)

ちくまプリマーブックスの不朽のエッセイを、28年ぶりに新装で復刻。著者が新たにあとがきを書き下ろし、作家・高橋源一郎と、当時の担当編集者・藤本由香里による寄稿を収録。

▼目次
プロローグ ミルク玉つぶし
第一章 母、そして幼いころ

--朝鮮古典芸能の至宝=母・金紅珠のこと
--出生
--ポリオ発病
--阪大病院南二階2号室
--束の間の帰宅
第二章 障碍児施設へ
--別離
--孤独な子どもたち
--死んでいく友達
--人間のエゴを見つめて
--思春期の中で
--軽度か重度か-施設の現実
--何のための努力?
第三章 暗いトンネル 
--高校へ行きたい
--努力嫌いの白昼夢
--学校探し
--私には選挙権がない
--「トイレまで行けたら学校入れたる」
--帰宅-通信高校へ
--遠い級友たち
--死を選んだ人
第四章 運動
--初めて、キム・マンリとして
--「青い芝」という運動
--集会か、学校か
--ほな、出ていくわ
--包丁を振り上げた母
--「生きていくのはおまえ自身だから」
第五章 生きることのはじまり
--「いのちの初夜」
--二十四時間の介護
--今、産まれ出た幸福
--障碍者のバリケード
--翳り
--分裂
--組織解体
第六章 自分を頼りに 
--野垂れ死にの精神
--警察が、なぜ……
--私が私であることを求めて
--「帰りたいなら今すぐ帰れ!」
--沖縄-再生への旅
第七章 劇団「態変」旗揚げす
--「国際障害者年」って何だ?
--「国際障害者年」なんてブッ飛ばせ!
--「態変」動きだす
-- 旗揚げ公演『色は臭へど』
--「やるからにはメジャーになろう」
--K君-「ゲリラ・クヨクヨ」のこと
第八章 宇宙的な時間
--子どもが産まれる!
--出産、そして育児
--新しい世界 -宇宙人の視点
--劇団復帰
--「態変」ケニアに行く
--産まれること、生きること
あとがき
寄稿

--はじまりの風景 高橋源一郎
--天地とのインプロビゼーション 金滿里さんのこと 藤本由香里
降りそそぐ大地からの噴射を獲らまえて放つ 新装復刻版あとがきに変えて 金滿里

▼著者プロフィール
金滿里(キム マンリ)
身体表現芸術家。1953年生まれの在日韓国人2世。ポリオ(脊髄性小児麻痺)後遺症にて首から下が弛緩性麻痺の重度障碍者。身体障碍者による身体表現を先端的芸術として発信する集団・態変の主宰者。2016年社会デザイン賞優秀賞受賞。2022年大阪市市民表彰・文化功労部門受賞。

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読後レビュー

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復刊投稿時のコメント

全20件

  • 現代において、必読の書です。 (2024/05/09)
    GOOD!0
  • 投票コメントを読んで、興味を持ちました。 (2024/05/08)
    GOOD!0
  • ボランティア活動をするにあたって、拝読したいと思いました。 (2022/09/17)
    GOOD!0
  • 重要な本だから (2022/06/12)
    GOOD!0
  • 重度障害者の著者が自らの半生を綴る本書は、人間の尊厳とは何かを問いかけ、生きたいように生きることをめざす者すべてを勇気づけてくれる一冊であり、今の時代にこそ多くの、とりわけ若い人たちに読まれてほしいと考えているため。 (2022/06/11)
    GOOD!1

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